講演 「カルチャー&ライフ」 音楽と共に明日の豊かな生活を
テーマB 「音楽と心の健康」
◇主な内容
ベートーヴェンの作品を中心とした演奏と解説。知性と感性の高次元での融合を体験。頭と心のバランスを保つ重要性についてお話します。
♪感性を高めるための工夫
視覚や聴覚は、感情の様々なニュアンスを引き出します。さて今度は、自分が持つ気持ちを色や音として表現してみましょう。§トピック 音楽の力で「うつ」を防ごう
「うつ」の人が、まわりに多くなってきたように感じます。皆さんの知り合いではいかがでしょうか? 統計的な数字では中学生以上の人口12%の人が「うつ」もしくは「うつ状態」なのだそうです。「うつ」とは、どのようなものでしょうか。それは、頭と心の働きが一致しない事から起こる適応障害です。社会や生活環境に適応しなければならないと考える頭(脳新皮質)と、より自然に生きたいと思う心(脳の旧皮質)に生じるズレが大きな原因です。
「うつ」は病気ではない!
美しい景色に感動する… 素晴らしい音楽に感動する… これらは新旧脳皮質のバランスを保つために非常に大切です。そんなことは言わずともほとんどの人は理解しています。しかし、こんなことも考えてみてください。人間は五感のうちのひとつの感覚だけを鈍感にすることが出来ません。
知性や理性が極度にはたらく状態は、ある部分の感性を鈍らせ、心の感受性を麻痺させてしまいます。感受性を司る脳旧皮質と、脳を含む身体に対して常に理性的な命令を下す脳新皮質のアンバランスが生むトラブル、それが「うつ」です。
自分らしさ……自然体の自分をみつける。
綺麗なもの、美しいものへの感動、芸術への感動… 感動には人が生きる命があります。感動は、健康のバロメーターともいえます。そして高度な芸術には、生命力を高める力があります。人の英知の中でも、音楽の持つ力は絶大です。
心の健康に不安を感じることがあったら… 自分への自信に疑問を感じるような時には… 音楽のこと、極限の集中力を呼び覚ますベートーヴェンのことを、思い出してみてください。本物のあなたを見つけるきっかけとなることでしょう。そして、苦しみをも知っているあなたは、他に「うつ」で悩む人を救える人となります。